コロナウイルスに感染した妊婦。お腹の赤ちゃんはどうなる?

コロナウイルス妊活

妊娠中にコロナ感染したらお腹の赤ちゃんにどんな影響があるのか。


2020年突如出現したコロナウイルス(SARS-CoV-2)によって引き起こされる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、全世界に急速に蔓延し不安を引き起こしています。

現在のところCOVID-19に対する治療薬の開発はなく、ワクチンや手洗いなど感染を予防し発症を防ぐことが重要です。

2021年5月現在、日本産婦人科学会が発表した妊婦へのワクチンへの考えはこちら。

http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210512_COVID19.pdf日本産婦人科学会のHPに飛びます。

長期的な副反応については現時点では明らかにされていない。

情報収集が必要な状態であるが、接種のメリットがリスクを上回ると考え、感染リスクが高い妊婦はワクチン接種を積極的に考慮する。と書いてあります。

ワクチンの長期的な健康への影響が不明であるため、接種を控えている妊婦は沢山いると思います。手洗い、3密回避で感染を予防して下さい。



中国からの報告です。

2020年1月20日から1月30日までにCOVID-19陽性9名の妊婦が対象。

子宮内垂直感染があるか調査したもの。

発熱7/9名、咳4/9名、筋肉痛3/9名、喉の痛み2/9名、倦怠感2/9名、5/9名でリンパ球減少症を有していた。

重度の肺炎の発症や脂肪した妊婦はいなかった。

全員が帝王切開術を受け1分アプガースコア8-9点、5分アプガースコア9-10点であった。

6名の患者から羊水、臍帯血、新生児の咽頭ぬぐい、母乳を検査したところCOVID-19陰性であった。

Clinical characteristics and intrauterine vertical transmission potential of COVID-19 infection in nine pregnant women: a retrospective review of medical records. Lancet (London, England). 2020 03 07;395(10226);809-815. 

Clinical characteristics and intrauterine vertical transmission potential of COVID-19 infection in nine pregnant women: a retrospective review of medical records – The Lancet



サウジアラビアで2020年3月から11月までの間にCOVID-19に感染した288名の中央値30歳の妊婦、診断時の中央値妊娠週数38週であった。

27%が肥満、4.5%で貧血、3.1%で甲状腺機能低下症、他、糖尿病、高血圧、喘息、心肺疾患。
85.8%が症状ありで、31.9%に咳、12.5%で発熱と呼吸困難が続いた。

61%が呼吸補助を必要としなかった。

普通分娩70.84%、帝王切開35.8%。早産15.5%、胎児仮死13.6、子癇前症4.2%。4/204名で新生児死亡があり、残りの生存していた新生児のほとんどは正常であった。

リンパ球減少症14名7.0%、好中球減少症22名11.0%、血小板減少症11名5.5%、低ヘモグロビン血症4名2.0%、高ビリルビン血症81名40.5%。43%の新生児はNICUに収容された。

いずれもCOVID-19PCR検査で陰性であった。

Clinical outcomes of maternal and neonate with COVID-19 infection – Multicenter study in Saudi Arabia. Journal of infection and public health. 2021 Apr 20;14(6);702-708. 

Clinical outcomes of maternal and neonate with COVID-19 infection – Multicenter study in Saudi Arabia – ScienceDirect

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