早期閉経女性で生理再開、妊娠

卵巣妊活

早期閉経(POI)とは


日本人の平均的な閉経年齢は50歳前後ですが、早期閉経(早期卵巣不全)とは40歳前に月経がなくることをいいます。

早期卵巣不全(POI)は、40歳未満で高ゴナドトロピン性無月経と定義され、高ゴナドトロピンとは一般的に40mIU/ml以上とされます。

発症年齢は初潮直後から39歳とどの年代でも発症しますが、10代での発症は少ないです。

ほぼ前例で卵巣が萎縮し、抗ミュラー管ホルモン(AMH)は測定不能とされます。

カウフマン療法、GnRHa投与、rFSH/hMGによる排卵誘発を行うと、発症2-3年以内の症例であれば20-30%で排卵に至るとされています。

そのため、月経不順がみられた場合、婦人科などのレディースクリニックで一度診てもらうと良いでしょう。

早期閉経で妊娠



早期閉経女性に対して、ゴナドトロピンを添加した多血小板血漿(PRP)を投与することで、早期閉経期女性の卵巣機能の回復に有効かどうかを調べた論文をご紹介します。

40mLの自己末梢血から調整した多血小板血漿(PRP)を組換え卵胞刺激ホルモン(rFSH)(Gonal-F 300IU)とともに腹腔鏡下で両側の卵巣皮質下に注入した。

治療後、FSH、黄体形成ホルモン(LH)、エストラジオールの血清レベルを、週1回から月1回の間隔で6カ月間追跡調査し、排卵機能が回復した女性には体外受精が行われた。

平均年齢44.42±2.84の12名の早期閉経女性が登録された。

治療後、11名の女性は37.1±23.5日で月経を再開した。

6名の被験者から10回の卵子採取が行われ、そのうち4名は卵巣刺激を受け、もう2名は自然排卵サイクルを利用した。

採取した13個の成熟卵をICSIで受精させ、正常に受精した10個の2PN胚を得た。

2人の参加者が胚移植を行い、うち1人が臨床妊娠に至った。

ゴナドトロピンを添加した多血小板血漿(PRP)の皮質下卵巣投与は、少なくとも一時的に卵巣機能を回復させることが示され、早期閉経女性において自己卵子を用いた妊娠の可能性を高めることができた。Resumed ovarian function and pregnancy in early menopausal women by whole dimension subcortical ovarian administration of platelet-rich plasma and gonadotropins. Menopause (New York, N.Y.). 2021 03 26;28(6);660-666.


多血小板血漿(PRP)は自然治癒力を生かす治療です。

血小板は成長因子を持ち、損傷部分を治す力があります。

ケガをしたときにかさぶたが出来、傷が修復されますが、この過程に血小板の力が大きく関わってきます。

この多血小板血漿(PRP)は、膝関節症やスポーツ外傷などの整形外科領域の他、皺などへの美容外科的アプローチとして使用されています。

婦人科領域で、日本でも多血小板血漿(PRP)を用いている施設はありますが、腹腔鏡下ではなく、子宮内への注入に限られるそうです。

腹腔鏡下手術は大きな手術室でCO2気腹装置がないと難しいので、今後もクリニックで行われることはないと思われます。

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