胚盤胞のグレード別妊娠率は?AAが一番良いの?
2021年中国からの報告です。
2009年1月から2018年12月の間に凍結融解単一胚移植を受けた患者を対象とした後ろ向きコホート研究です。
着床前遺伝子検査(PGT)の患者は除外した。
受精卵は5日目または6日目まで培養され7日目まで培養された胚盤胞はごくわずかであった。
胚盤胞の評価方法はGardner分類とSchoolcraftの評価システムを採用した。
胚盤胞の拡張段階による臨床妊娠率(CPR)はステージ4(56.15%)、ステージ5(54.91%)、ステージ6(53.37%)の胚盤胞と比較して、ステージ3(48.15%)の胚盤胞で低かった。
出生率(LBR)は、ステージ4(44.2%)およびステージ5(41.67%)と比較して、ステージ3(37.07%)の胚盤胞で低かった。
内部細胞塊(ICM)のグレードの低下とともに、
臨床妊娠率(A 66.60%、B 53.25%、C 39.33%)、
出生率(A 54.62%、B 41.29%、C 28.45%)も減少した。
内部細胞塊(ICM)グレードAとグレードCの流産率は(17.53%対27.66%)。
栄養外胚葉(TE)の臨床妊娠率は、(A 64.26%、B 58.11%、C 43.53%)、
出生率(A 52.74%、B 45.64%、C 32.57%)となった。
出産率を比較すると、
AA 55.21%、AB 53.80%、AC 58.06%、
BA 49.59%, BB 45.64%, BC 32.37%,
CA 50.0%, CB 27.7%, CC 21.4%でした。
The Morphology of Inner Cell Mass Is the Strongest Predictor of Live Birth After a Frozen-Thawed Single Embryo Transfer. Frontiers in endocrinology. 2021;12;621221.
胚盤胞のステージが高く、ICM,TEも高グレードであれば妊娠率、出産率が上昇するんですね。
こちらの報告では、ほとんどのグレードにおいて高い妊娠率を出しています。
さらに驚いたのは、出生率が一番高いのがACの胚盤胞ということです。AAが一番出生率が高いと思っていました。
グレードによる出生率に関する論文は沢山あるので、比較しなければ分かりませんが、生殖ビジネスが急成長している中国から2021年にパブリッシュされたものですので大変参考になります。