体外受精で7日目に成長した胚盤胞の妊娠率とは。
体外受精、顕微授精を行うと、受精が起こり細胞分裂を繰り返し約5日目に胚盤胞という状態になります。
受精卵の成長の過程は様々で、成長が遅延すると胚盤胞に成長するのが6日目や7日目となります。
成長の遅い胚は子宮内の着床の窓(インプランテーションウィンドウ)が間に合わず、着床率が低下します。
病院によっては不良胚とし破棄させることもあるかもしれません。
アメリカからの報告をご紹介します。
7日目に成長した胚盤胞と5日目6日目に成長した胚盤胞を凍結保存し、移植後の妊娠率を比較しました。
GnRH アゴニストまたは GnRH アンタゴニストで卵巣刺激し回収、培養し5日目と6日目の胚盤胞グレードは2BB以上、7日目胚盤胞は3CC以上であれば凍結された。
プロゲステロン投与から6日目に凍結胚盤胞移植された。その後妊娠11週までホルモン補充。
卵母細胞回収時の平均年齢は33.5歳、移植時の平均年齢34.9歳。
融解された1046個の胚盤胞の内訳は、5日目1032 個 (73%)、6日目313 個 (22%)、7 日目61 個 (4%)。
胚盤胞融解後の生存率は凍結日とともに低下した。
5日目91%、6日目84%、7日目79%。
着床率は5日45.5%(41.9%-49.1%)、6日目30.0%(23.6%–36.3%)、7日目30.0%(14.0%–46.0%)。
Should embryos developing to blastocysts on day 7 be cryopreserved and transferred: an analysis of pregnancy and implantation rates. Fertility and sterility. 2013 Oct;100(4);1008-12.
7日目の胚盤胞でも27%の確率で妊娠が継続しています。
7日目の胚盤胞を凍結保存する施設は少ないでしょう。
また、成長の遅い胚は異数性率が高い報告もあります。
彼らの他の報告では胚盤胞日数による正倍数体の違いは、
7日目胚盤胞20%、5日目56.5%、6日目38.8%でした。
Trophectoderm biopsy on day 5, 6, or 7—does it matter?.Fertility and sterility. 2011; 96: S60
素晴らしい研究報告でした。7日目の胚盤胞は染色体異常があるんじゃないか心配になりますよね。PGT-Aに関する記事があります。