男性は恥ずかしがりや
勃起不全(ED) 問題
1990年代から男性の勃起問題が国際的に問題となり、勃起不全改善のためにアメリカで1998年に勃起治療薬バイアグラが発売され、異例の速さで日本でのバイアグラの保険適応が承認されたのは1999年のことでした。
このため、低用量ピルと比較され男性本位と批判されました。
勃起不全(ED)は加齢ともに増加することは器質的な問題ですが、心因性の場合もあります。そのどちらも性的な問題でありパートナーに打ち明けにくいです。
最新の勃起不全(ED) に関する論文
札幌のクリニックからEDに関する発表をご紹介します。
40-69歳の男性へアンケートを行った。有効回答は66名。
参加者の 98% (65/66) が生活習慣病 (高血圧、糖尿病、脂質異常症) に罹患、その中で高血圧 (80%、53/66) がダントツでした。
調査対象者の 39% (26/66) が性機能障害を報告したが、92% (61/66) は ED 基準を満たしていた。
ED基準は国際勃起機能スコア(IIEF-5)で評価した。
そのうち 48% (16/33) が治療を希望した。
治療を希望した16名のうち、かりつけ医による治療を希望する。と回答したのは75% (12/16)であった。
しかし実際に医師へ性的機能不全を相談した患者は1名のみだった。
治療を受けなかった理由の回答は、「恥ずかしい」7人、「かかりつけ医が性機能不全の治療しているのを知らなかった」5人、「性機能不全は治らないと思っていた」2人。
EDの可能性があるがそれに気づいていない男性がいる。
EDに関する知識不足、羞恥心が治療の妨げになっている。
かかりつけ医が男性の健康改善のため、性的機能不全について患者に質問すべきと結論付けています。
性的問題に関してはデリケートな問題です。パートナーの方から質問するなど、本人が打ち上げやすい環境を作ることは問題解決の第一歩だと思います。
Comparison of self-report and objective measures of male sexual dysfunction in a Japanese primary care setting: a cross-sectional, self-administered mixed methods survey. Family medicine and community health. 2021 01;9(1)