妊娠中の痛み止め。お腹の赤ちゃんに奇形など影響は?

妊娠中に痛み止めを飲んだら赤ちゃんに影響する?


妊活中、妊娠中の薬剤使用はなるべく避けたいと考えてる人が多いと思いますが、頭痛や打撲など一般的な病気やケガは妊娠中でも起こりえます。

消炎鎮痛剤であるアセトアミノフェン(カロナール)は妊娠中広く使用されています。

医師は影響はない、少ない。と説明しますが、どのような影響が母体、胎児にあるのでしょうか。

妊娠中に服用するお薬は必ず主治医と相談してから使用してください。

ロキソニンやイブなどの市販薬は飲んでよいの?


市販薬のバファリンEX(ロキソニン)、イブやノーシンピュア(イブプロフェン)はNSAIDsと呼ばれる非ステロイド性グループで、アセトアミノフェン(カロナール)とは違う種類の消炎鎮痛薬です。

このNSAIDsは胎児毒性があり、妊娠後期に胎児の動脈管が収縮するリスクがあります。

飲み薬以外にも張り薬や座薬もあります。

そのため一般的に妊娠中は、動脈管の収縮作用が弱いアセトアミノフェン(カロナール)が処方されることが多いです。

アセトアミノフェンはカロナールやタイレノールという商品名で販売されています。

外国ではパラセタモールと呼ばれています。



デンマークの研究を紹介します。

64322万人の子どもと母親を12、7年間追跡し、妊娠中のアセトアミノフェンの使用が子どものASDリスクの増加に関連するかを調べた。

1.6%にASDの診断があり、0.5%乳児自閉症、31%のASD(26%幼児自閉症)は多動障害と診断されていた。50%以上の女性が妊娠中アセトアミノフェンを使用していた。

アセトアミノフェンの出生前使用は、多動性を伴うASDのリスクと関連するが、他のASD症例との関連はなかった。

20週以上アセトアミノフェン使用で乳児自閉症のリスクを2倍増加させた。
Maternal use of acetaminophen during pregnancy and risk of autism spectrum disorders in childhood: A Danish national birth cohort study. Autism Res 2015;9:951-958.



スペインからの報告です。

2644人の母子が研究へ参加し、出生前アセトアミノフェン暴露が1歳と5歳の神経発達に悪影響を及ぼすかを調査したものです。

41%の子どもが在胎中アセトアミノフェンに暴露された。結果、男女間で影響があり、男児により多くの自閉症スペクトラム症状を示した。
Acetaminophen use in pregnancy and neurodevelopment: attention function and autism spectrum symptoms. International Journal of Epidemiology. 2016;1987-1996.